こんな時に行かなくても・・・・、
と言われつつ、中秋月を楽しむためにCXに乗った。
ほぼ一年ぶりの香港。
テロ対策のためにセキュリティチェックが厳しいとか、
アジア方向こそ危ない・・・とか言われるせいか、観光客の少ない事。
ゴールデンマイルと称されるネイザンロードもご覧の通り。
日本語も殆ど聞こえず、まるで返還直後の香港を見るようだった。
日本の十五夜にあたるこの日、数ある公園の中では、
穏やかで質素なお月見が催されている。
思い思いのランタンや、赤い蝋燭をたてて月を眺めるだけ。
静かで、優雅な気持にさせられる観月会は、緊迫したこの時期にも
変わる事なく開かれている。
綺麗に満ちた月を眺め、愛でる。
大きな声を出す者もいず、酒を飲む者もいない。
勿論、ケンカなんてしている人はいない。
そんな空気を味わう事は、最近の横浜では難しい・・と、
正直そう感じて、ちょっとだけ怖くなる。
いつもは観光客の喧噪に晒されるから、
余計に穏やかな空気だと思ったのか、
同じ観光地として見た場合の横浜は、
もっと殺気立っているように感じるからか。
豊かな社会に生まれ、育ち、
当たり前にそこで生きている自分には、
今、アフガンが抱えている問題を、本質的には理解できていない。
明日の空爆に怯える事なく暮らせる幸せは、
自分の力で勝ち取ったモノではない。
だから、今の自分の生きている社会に、感謝している。
21世紀が戦いで始まるとは、想像できなかった。
閑散とした九龍半島が、事態の深刻さを表していた。
Text and Photo by H.Wakao
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