サイト内検索
AND OR
Photo Essay
Text Essay
Desktop Gallery
Guestbook
Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 
 

detect



2001 PROMISED LAND Riders Party
岐阜県揖斐郡池田町 大津谷公園キャンプ場

横浜からは400キロの程離れたその場所に、私はいた。

先週の東屋オフで会った面々と再会し、サマーパーティー以来の仲間とも再会した。




このパーティーは、SURTEESのKENが主催していると聞く。
この場所に集まれるライダーのために開放したパーティーだからか、
初めてみるカラーも多く、活気に満ちたものだった。


400キロを休み無しで走ると、空気の感じ方が変わる。

当たり前に知っていて、その感触も良く知っているにも関わらず、
その場の空気を見たとき、何とも言えない安堵と快感に触れて、
少しばかりたじろいだ。

空には星、広場には焚き火、ライダー同士の話し合う声と、
近くの川のせせらぎ。
それらが渾然一体となって、心に直に触れてくる。


「まいったなぁ・・・・」

すっかりその感触を忘れていた事に気がついて、思わず独り言を吐いた。




ステージでは、地元の団体であろうグループが、勇壮な太鼓を披露し、
その場の空気を揺らしているが、鋭敏になっている感覚にはかえって響かない。

ただ、心地よさだけが増し、
渡されたウィスキーが恐ろしく美味しく感じていた。


KENは、チェアウォーカーで、現在はバイクに乗る事はできない。
しかし、これだけのライダーを集めるモノが、ある。


「私はまだ、バイクを降りていません」


と、キラキラ輝く目で彼は言う。

「今は、ちょっとバイクを置いて、座っているだけだ・・」と


確かにそうだ。

自分を振り返ってみれば、良くわかる。
私自身、乗れるのに乗っていなかったからだ。

身体の具合で乗れないのではない。
乗らない・・・だけなのだ。





会場では、有志の開いた模擬店が並び、家族単位の参加者も多い。
各々が、それぞれのやり方で楽しんでいる。

大将は、「距離は大切だ」と言う。

「長い距離は、見栄もハッタリも綺麗に拭い去り、
 本質を露わにする力がある・・・・」と。

その距離があって初めて見えてくるもの、
たくさん知っていたはずなのに、
今回、
あらためて走れば新しい感覚が備わる事を、
覚えた。




「今度、横浜で何かやる時は連絡をください」


とKENが言う。


「私が開催する会はとても小さいモノで、
 当日の都合で参加者はたった一人・・という事もありますよ」


と答えると、彼はこう言った。


「貴方に会いたいから、私はソコに行きます。
 貴方と酒を飲みたいから、ソコへ行きます。
 それでいいじゃないですか・・・」



そうだった。
ライダー同士は、そうやって走ってきた。


KENの言葉で、帰りの400キロがとても楽しくなってきたのは、
言うまでもない。






                     Text and Photo by H.Wakao

 
 
サイト内の画像・テキスト等の無断利用・転載は禁じます。
Hisashi Wakao, a member of KENTAUROS all rights reserved. / Web design Shigeyuki Nakama
某若夢話は横浜飛天双○能を応援しています。