働いていた。
休日も祝日も関係なく。
不景気だから・・・と言うよりも、こなす人材が不足している、という理由により。
当然の結果、過労により倒れた。
一日、ひたすら眠り、
翌日、平気な顔をして会社に出る。
フラフラしているのは食べていないから。
だから、食欲が無かろうと、当たり前のように昼から焼き肉を喰らった。
そんな状態だから、写真が撮れない。
それは、ツマラナイ事。
その上、撮ってもロクな絵にならないと、勝手に決めつけてしまう。
しかし、それが良くない。
撮ったものは、その時が必ず写る。
だからこそ、少しずつでも撮っていないと、面白くない。
ぶらっと訪れたクラブハウスで撮った写真を見て、あらためてその事を思い出した。
クラブハウスには、メンバーの命日付近になると、このように祭壇が設けられる。
いつも奥のピアノの前に座っていた彼は、おおよそ死にそうにないタイプだった。
そんな彼も、国道を疾走中に激突死した。
あの人が・・・と、誰しもが絶句したが、それが定め。
人間はいつか必ず死ぬ。
もう何年経ちましたっけ・・?
まだ、走っていますよ。
そう、心の中で語りかけて、線香をあげる。
そしてそれは、月日の移ろいを感じさせてもくれる、
節目の一つとなっていく。
仕事に疲れて顔を出したのは、もう随分前。
それが、現像されたフィルムの中にあった事に気がついて、
時の流れを封じていた事を教えられた。
また、1カットでもいいから、帰り道に切り取るか・・・と、
言葉にならない独り言を吐きながらふり返ると、
当たり前に見えていた景色が少し、艶やかに見えた。
Text and Photo by H.Wakao |