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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 
 

成人式


20才になったら許される事。
選挙、酒、煙草・・・・等色々あるが、大人だから許される事と同時に、
背負わされる責任や義務も大きくなる。
でも、本人にしてみれば、そんな自覚は全然なくて、
何が変わったのかは理解のかけらもなかったように記憶している。

成人の日に至って、随分昔の自分をちょっとだけふり返ってみた。

私が属しているモーターサイクルクラブでは、30才をもって大人と認定する。
色々考えてみても妥当な線だと納得できるのは、自分が20代にしていた事を考えるからでもある。
人並みに大人のフリをして色々な事にチャレンジしても、心はどこかで15・6のままだった。
(その責任感も含めて)


今思えば、自分の足下だけしか見えていなくて、後先構わず何でも手を出した。
気にくわなければ強引に相手をねじ曲げ、抜かれれば蹴倒してでも前に行こうと、もがいた。
20代の自分には、21世紀なんて夢の先にある得体の知れないものでしかない。
老いていく自分を想像する事すらできない・・・、いや、見えていないのだろう。
まるで暗闇の中に続く道のように、自分の人生の行く末を見ていたように思う。

体力、気力、精神力の順に衰えるのが人生なら、できる内に色々やってみようと考えたのは30代。
夜も寝られない仕事をしながら、貪欲に世の中の表裏を眺め尽くしたのもその頃。
そして、体力的に若者に敵わなくなって初めて、大人の気分を味わえるようになった(爆)

はたには素晴らしく見える人生を歩く人がいても、その心の中の闇は本人しか解らない。
いかに外観で人間は惑わされるかを目の当たりにすると、
豊かさという物が演出されたカタログでしかない事に気づく。

ファッションや音楽の流行を、発信する側にいるとよくわかる。
半歩前の情報を操作も含めて投げる立場は、消費の仕組みを知ってトラディッショナルに目向けさせた。

最近手に入れた「ビートルズ1」は、何時の世にも消えなかった旋律を聴かせてくれる。
最新の曲が彼らを超えられないのは、消費社会にどっぷり浸かった証拠なのかも知れない。



だから、今の新成人達を見ていても、その若さにすら憧れは抱かない。
重ねた物や歩いた道によって、初めて味わえる幸せがあるのだから、
たかだか100年生きられないとしても人生は、思いっきり突っ走ってこそ価値があると思う。
明治に作られた鉄橋は残っても、自分はこの一瞬にしか生きていないのだから。

生きていく上でのパートナーがたくさんある人は幸せだ。
それは恋人だったり、友人だったり、道具だったり・・・・。
自分と言葉を介さぬコミュニケートができるものは、自己実現に必要なものだし、
理解しあえる人間がいて生き甲斐も膨らむものだと思う。


新成人達よ。
ようこそ、社会へ。

走り続ける道は、幾たびか分岐を迎える。
責任自分持ちで走る道は、どの方向を選んでも幸せを運んでくれるだろう。
お互いの健康のために、走りすぎにはご注意を(笑)



                Text and Photo by H.Wakao
 
 
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