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積み重ね
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香港では「午砲」と呼ばれる号砲が正午に一発だけ、撃たれる。
植民地時代から続いている、この「しきたり」のようなものは、
国が返還された今も続いている。
砲手は、懐中時計とラジオの時報で時を計り、
躊躇無く正午に引き金を引いた。
九龍半島へ向けいつも通りの轟音が投げつけられる。
無駄な催事かも知れないが、説明できない魅力があった。
美しさは、ある種の無駄や遊びがシンプルな形の上にあって 、
成り立っているように思う。
そう主観的に思うから、無駄な事に妙に惹かれたりする。
生きていく上では、無駄な事ばかりしているのだから、
無意識に「無駄」という事を肯定するのかも知れない。(笑)
来年もまた、無駄だらけの1年を過ごすのだろうが、
きっと退屈しない楽しい日々だと、思いたい。
香港 銅鑼湾 にて
Text and Photo by H
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