外を見ると、ピンとくる。
今日はバイクだ、と心が叫ぶ。
無意識に革ジャンを出し、
ブーツを履き、
ヘルメットを掴んでいる。
久々に気持ちの良い日和。
海風のあたる落ち着ける風景を見たくて、
瑞穂埠頭へ出かけた。
こんな日は、ここでずうっと海をみていたい。
しかし、所詮は雇われの身。
そんなワガママが通るわけもなく、
出勤時間に間に合わせるべく、
早々に切りあげる。
でも、朝のほんの一時に、こんな風景と風に浸るだけで、
一日中幸せでいられるから、不思議。
同僚に話しても、本当のところは理解してもらえないのは、
彼らがバイク乗りではないから、なのだろうか。
今も、アメリカに接収されている瑞穂埠頭(ノースピア)。
国境となる黄色い線が引かれている。
それは、幼い頃、金網の向こうに見たアメリカそのもの。
湾岸戦争の時は、ここからもUS ARMYの武器弾薬が運び出された。
ステンシルで描かれた立ち入り禁止の看板は、
そこがアメリカ合衆国カリフォルニア州である事の証明でもある。
横浜や横須賀をはじめ、日本各地にはまだこういう場所が残っている。
基地という名のアメリカ。
それは軍隊が占有する場所であり、軍人が本国並の生活が送れるよう
そっくりアメリカを持ち込んだ場所。
学校も図書館もスーパーマーケット(PX)もある。
戦争によって奪われた物であり、日本の軍国主義が破れた証拠でもある。
どこの国でも持つ軍隊は、自国民を守り他国の侵略を力を持って対峙する役を担うだけでなく
場合によっては他国へ侵略する力でもある。
力無くして平和は得られないとするのは、人間がやっぱり野蛮だからなのだろうか。
核武装をするべきだと、例え自論でも口に出す政治家は、
違憲論者である事を越え、軍国主義者だとも思える 。
日本の政治家は、やっぱり昔の日本人なのだと、
どれだけアジア諸国の人達が感じたか知るべきだ。
空は世界に繋がっている。
誰もが平等に太陽の恵みを受けられる。
蒼い空を見ていると、こんなにも心が和むのだから、
他人の芝生なんか見ていないで、空を見ていれば・・・、
と腕力自慢の政治家に言ってやりたい。
この時期、澄んだブルーの風は、午前中だけにしか吹かない。
だから今日は午前半休したい日であった。
横浜市神奈川区千若町2丁目にて
by H
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